マーケティングリサーチの役割と目的
マーケティング・リサーチの役割とは
消費者・生活者の要求を把握し、必要としている商品・サービスを必要としている人に最も効率的に届けるための方法を明らかにすることがマーケティング・リサーチの役割です。
マーケティング・リサーチの目的とは
何のためにマーケティングリサーチを行うのか?その目的について解説します。
マーケティング・リサーチには、下記のような目的があり、内容に応じた調査企画・設計を実施することが重要です。
新商品・サービス開発のための市場調査
新商品・サービスの開発を検討するにあたり、受け皿となるマーケットが存在するのか?
顕在化されたニーズ、潜在的なニーズやウォンツが存在するのかなど、開発プロセスにフィードバック可能な市場データを収集、分析するために行う調査。
商品・サービスの認知度、価格受容度調査
対象となる商品やサービスの名称や内容がどの程度認知され、理解されているのか?
また、消費者の視点から妥当な価格を探る場合などに行う調査。
広告の効果測定
広告の効果を測定する場合、一般的に次の3つのケースが考えらます。
(1)広告の企画、制作過程で限られた少人数の被験者に対し、実施される効果測定。
(2)新商品の発表、発売のタイミングにあわせ、集中的に行われる広告に関する効果測定。
(3)特定の条件下ではなく日常的に行われている広告の累積効果や受容度の変化などを定点で観測する効果測定。
顧客満足度調査
顧客満足度(Customer satisfaction)調査には、一般的に「購入満足度調査」と呼ばれます。
購入した商品や利用サービスに対する評価を調査する場合と「顧客対応満足度調査」と呼ばれる問い合わせ、クレームなど顧客への対応に対する評価を調査する場合の2種類が存在します。
通常、アンケート形式で定期的に調査を実施することで、満足度の変化を把握することで、商品開発へのフィードバックや顧客接点におけるサービスレベル向上に寄与することを目的としています。
海外進出のための現地市場調査
海外での事業展開を検討する場合に現地のデモグラフィックデータ(人口統計データ)、市場規模や競合する企業や商品・サービスに関する情報について収集する必要があり、対象国の調査会社やコンサルティング会社の協力を得ることで、意志決定のために有益な情報を入手するケースが多いです。
店舗開発、出店のための商圏、立地調査
流通小売業において、どのエリアに進出すべきか?
また、どの場所にどのような形態で店舗を構えるかを検討するために、対象エリアの商圏に関する調査が必要です。
調査は下記の内容が考えらます。
(1)進出するエリア(都道府県、市町村等)や商圏を選定するために行う調査。
(2)店舗等を構える特定の場所を選定するための調査。
(3)当該地に進出、出店した場合の商圏、対象顧客数の把握ならびに売り上げ予測データの算出。
ブランド価値調査
ブランドがもたらす心理的な価値を調査することであり、関西学院大学の和田充夫教授は『ブランド価値共創』(同文堂出版)の中で、ブランド価値は、製品の「基本価値」と「便宜価値」を基盤とした「感覚価値」と「観念価値」であると述べています。